音の伝達

私達は音楽療法の中でも、受動的なアプローチ(クライアントが音楽を聴くという方法)に注力しています。

自然音に含まれるような耳に聴こえない高周波帯域が人間にとって良い、という話はこれまでにも知られていましたが、実証的にその影響を測定するのが非常に難しいとされて来ました。 そもそも「耳で聴こえない帯域を、どうやって人が聴くのか」という疑問があったのですが、長岡技術科学大学カオス・フラクタル情報数理工学研究室の中川匡弘教授は、「人間の知覚器官が耳に限らずどの部位であったとしても、最終的に感性処理は脳で行われる」ということを前提に、脳波のフラクタル指数を用いて、高周波帯域の感性計測に成功しました。

20-70代の被験者26名(うち聴覚障害者5名を含む)に日比野音療研究所が24bit 96KHzにて制作したピアノとサックスの録音を聴いてもらい、従来型の高級サウンドシステムと、私達の新開発サウンドシステム「凛舟」の2種類で脳波を測定。その結果、凛舟の方が従来型に比べて「快」(平安・心地よさ)の感性を35%増加させ、「不快」(不安、恐れ)の感性を55%減少させることが分かりました。なお、この傾向は聴覚障害者でもほぼ同様でした。

また、対照群として、全く同一の楽曲・同アレンジをコンピューターに演奏させたもので実験を行ったところ、「快」の感性が55%減少、「怒り」の感性が16%増加することが分かりました。 従って、音による安らぎは、楽曲の善し悪しだけでなく、演奏者の表現や祈り、再生環境といった要素にも依存することが考えられます。

さらに、被験者の脳のフラクタル指数(脳の活性化の状態)を調べた所、凛舟では、人間が「快」を感じると活性化するとされている右脳の前頭野が活性化しており、「不快」を感じる時の左脳前頭野が不活性であることが分かりました(図1)一方、従来型のスピーカーでは、このような差分が見受けられませんでした。またこの傾向は、かつて聴力を有した聴覚障害者では更に顕著でした。

上記の結果から分かる凛舟の「伝達力」は、周波数特性の違いに顕著に現れています(図2)。 スピーカーから10cmの所で測定した周波数特性は、20KHz以上の高域再生に関してほぼ同等の特性を有していますが(A,C)、1m離れた所の測定では、凛舟ではさらに豊かな高域再生能力を持つのに対して(B)、従来型スピーカーではほとんど音が飛んでこない(D)ことが分かります。

従来型のスピーカーが、コーン紙を前後に振動させる事で空気の波(粗密波)を作り出す方式なのに対し、凛舟は甲板に取り付けられたトランスデューサーの微振動が帆の湾曲板によって増幅されるという全く新しい方式です。この「湾曲板の振動による増幅」は数百年も前から楽器の構造に生かされており、アンプがなくても大ホールで生楽器の音色が響き渡るのはこのためです。同様に凛舟の音は、小さい音量でもとても遠くまで届き、また聴き疲れしにくいという特徴を持ちます。凛舟は、楽曲・アンプ・スピーカーまで一貫して「音による安らぎ」を追求したトータル・サウンドケア・システムです。



トータル・サウンドケア・システム「凛舟(RINSHU)」(特許第5393915号)。http://www.rinshu.net