Sound Therapy for Northern Japan earthquake victims

去る2011年3月11日に発生した東日本大震災。
死者・不明者約2万人、被害総額20兆円というあまりに甚大な物的・経済的な損害に加え、人の心が受けた痛手は計り知れないものがあります。
発生から2ヵ月あまりたった現在、自衛隊をはじめとする支援活動が進み、生活に必要なものが揃い出して来てはいるのですが、だから故に「この先どこに向かうのか」という不安感、「この状況がいったいいつまで続くのか」という無力感が顕在化している、まさに心のケアが必要とされるタイミングだ、との話を、震災以来毎週ボランティアに駆けつけるチームから伺いました。
HSTLは、そのチームに同行し、2011年5月30日~6月1日の3日間、特に被害の大きかった岩手県陸前高田市、大槌町の2拠点・8ヶ所にてサックスとギターによる演奏活動を行いました。拠点は以下をベースに決定しました。


1)被害の外的な大小よりも、逆に被害の規模が目立ちにくく支援の手があまり届かない場所
2)震災後、慰問演奏の前例がない場所
3)先方に音楽を受け入れる余裕があること


また、HSTLの活動指針として、以下を基準にしました。


1)機材・設営等、コンサート実施に関し、完全自己完結型で、 先方に電源・机イスの供出・控え室準備等の、一切の人的・物的・金銭的負担をかけないこと。
2)学校などの教育施設で実施する場合、授業の妨げにならないこと。
3)被災地の方々が喜んでくださる曲目を最優先させること。

○拠点1:陸前高田市 小学校
参加者:5-6年生約60名 教員約3名
演奏曲目:
A Whole New World (鑑賞)
Best Friend (共に歌う)
さんぽ(トトロ)(共に歌う)
Amazing Grace(鑑賞)
翼をください(共に歌う)
見上げてごらん夜の星を(鑑賞)
演奏時間:30分
Best Friendが、昨年の学校行事で歌われていた曲ということで、演目に選びました。


校庭には写真の通り仮設住宅が立ち並び、体育館は安全上の理由で使用不可とのことで、生徒の遊び場がないことが一番の問題でした。
生徒に大きな声を出して歌ってもらい、楽しい時間にすることを最優先し、また授業の一環として、「音楽鑑賞」という位置付けでカリキュラムにも組み込めることなどから、Amazing Grace物語のあらすじなど、文化的な側面も加えました。
陸前高田市は、街の中心部である最も低地の部分が津波によって瓦礫の海と化していました。
高台にあるこの学校は難を逃れたのですが、生徒の中には亡くなった子もおり、また仕事がなくなった親御さんもかなりの数に上ります。そんな中、ご両親のけんかが増え子供にストレスがかかっていたり等、見えないところでの課題がいろいろとあるようです。
教職員の方々が自ら被災しているケースが多く、不眠の問題が深刻とのことでした。生徒の面倒を見る立場上弱音を吐くわけにも行かず、「今回の音楽を聴いて震災後初めて涙が出ました」とおっしゃっていました。今回一番気付かされたのは、このような世話や管理をする立場の心のよりどころというのが課題である、ということでした。

この地域はちょうどこの日、台風も直撃し、本当に暗い雰囲気の中、闇の中に光が生まれたような瞬間でした。

 

○拠点2:陸前高田市 中学校

参加者:全校生約35名 教員約5名

演奏曲目:

A Whole New World (鑑賞)

Best Friend (共に歌う)

さんぽ(トトロ)(共に歌う)

星に願いを(鑑賞)

Amazing Grace(鑑賞)

ふるさと(共に歌う)

翼をください(共に歌う)

見上げてごらん夜の星を(鑑賞)

演奏時間:50分

この学校の地域の被害は外見的には軽微だったのですが、ここも同じく校庭に仮設住宅が立ち並び、体育館が使えず、生徒の運動場所がなく、廊下で体育をしている状況です。

この災害で転校してきた生徒が10名くらいおり、中には親御さんをなくした子もいます。

ここの最大の問題は、教職員が自ら家や親戚を失って避難所生活を送りながら、子供たちのケアをしなければならない、という状況でした。

小さい学校ですので、校長先生はじめ教員の方が地元を知り尽くしており、家庭訪問に1家庭1時間かけるとのこと。家庭環境まですべて把握しており、今回子供と合わせて親御さんのケア、というところも学校が大きな責務を背負っていたようです。

今回は音楽の授業の一環という形で、楽器紹介等を交えながらのコンサートでしたが、先生方にとって、今回の音楽は、心を緩め、涙を流しても許される、貴重な時間だったようです。

特に、先生に「眠りの為の処方箋vol.2」CDを差し上げたときに、「眠れない姉に差し上げたい」と大変喜んで下さいました。

横田の川の駅にあった看板。

この辺りは田園風景の本当にきれいなところで、一見すると被害がないように思われるのですが、仕事を失った親御さんも多く、問題は見えないところにまだまだ存在しています。

被害が目に見えて大きい避難所、学校などには、手厚い支援の手が伸べられ、芸能人もカメラ同伴で毎週のようにやってくるのですが、それを知るこの地域の人々の心境はやはり微妙なものだと思います。本当に相手の立場を思ってすべてにおいて心を込めて行わなければ、受け入れて頂けないと思いました。

心のケアは、マクロではなく、リアルなミクロの世界にしか存在しないのだ、ということを強く感じさせられました。

 

○拠点3:陸前高田市 教会

参加者:牧師夫妻、近所の住民 計10名程度

演奏曲目:

Amazing Grace(鑑賞)

星に願いを(鑑賞)

こちらは、NPOの方が活動支援の拠点としている教会なのですが、お伺いしてから急に演奏することになったにもかかわらず、近所の方が集まって下さり、感動的なコンサートになりました。

これが教会に至る道。街がひとつすっぽりなくなる程の、壊滅的な被害です。もちろんナビは役に立ちません。

教会前から海側を望む。まさに、教会の寸前まで津波が押し寄せてきたのですが、牧師夫人の強い祈りで、ぎりぎり無傷で助かったとのこと。

インフラが復旧するまでには2ヶ月近くかかったのこと。店もなく、買出しもできないので、教会関係の支援がここに集まり、この集落の人々はその物資を分けていたとのことでした。

音楽に触れる間もなかった地元の方々は、心からコンサートを喜んでくださいました。街中の被害を目にした直後の私は、まるで「地獄の中に天国が生まれた」感じを受けました。なんと、演奏が終わって外を見てみると、豪雨がすっかり上がって、晴れ間が広がっていました。目の前の現実は変わらなくても、そこに光と希望があるということの素晴らしさを、私は教えられたような気がしました。

 

 

○拠点4:大槌町 幼稚園

参加者:幼稚園児約80名 教員約10名

演奏曲目:

It don't mean a thing(音楽に合わせてパスゲーム)

A Whole New World (鑑賞)

星に願いを(鑑賞)

さんぽ(トトロ)(共に歌う)

崖の上のポニョ(共に歌う)

Amazing Grace(鑑賞)

アンパンマンのマーチ(共に歌う)

見上げてごらん夜の星を(鑑賞)

演奏時間:40分

 

1階部分まで津波が来たというこの建物。2週間前にようやく汚泥の撤収と掃除が終了したそうです。児童や教職員の大部分が被災しており、お父さんを亡くした子がたくさんいます。

まずは幼稚園児が楽しめるプログラムを意識したのですが、幼稚園児では出来る子、出来ない子の差があるので、一つの演目を短くし、ゲームを取り入れたりなど、退屈する時間を出来るだけ減らす工夫をしました。

大槌町では津波に加えて火災が発生したため、本当に戦後の日本を思わせるような焼け崩れたビルの跡が残っていましたが、そんな中、コンサートを終えて、園長先生は「震災以後、泣いたことがなかった・・・今日、初めて泣きました。79年生きてきて、今日が人生最良の日でした」と語って下さいました。涙が止まらなかったそうです。

 

○拠点5:大槌町 小学校

参加者:全校生約100名 教員約10名

演奏曲目:

A Whole New World (鑑賞)

Best Friend (共に歌う)

さんぽ(トトロ)(共に歌う)

Amazing Grace(鑑賞)

翼をください(共に歌う)

見上げてごらん夜の星を(鑑賞)

演奏時間:30分

4つの学校が1つの学校を利用している形。生徒の8割は家が流されたなどして被災しています。Best Friendはここでも学校行事で歌われていたようで、そのときのことを思い出して泣いている生徒もいました。

子供達は、終わってから「サイン攻め」でした。体操服に直接サインして、と背中やお腹を見せる生徒も多くいました。この服のサインがこの子の心の支えになってほしい、との思いでサインをさせて頂きました。ここでも、教職員の方の心に一番響いたようです。

 

○拠点6:大槌町 公園

参加者:近所の方々約40名 保育園児 約20名 スタッフの方々約10名

演奏曲目:

A Whole New World (鑑賞)

旅愁(鑑賞)

テネシーワルツ(鑑賞)

It don't mean a thing(鑑賞)

星に願いを(鑑賞)

さんぽ(トトロ)(共に歌う)

崖の上のポニョ(共に歌う)

翼をください(共に歌う)

見上げてごらん夜の星を(鑑賞)

ふるさと(共に歌う)

演奏時間:60分

保育園児から高齢者まで非常に幅広い方が一堂に集い、かつ屋外という非常に難しい状況ではありましたが、ジャズ好きのスタッフの皆様の意向を受け、前半はジャズ&日本の歌中心に構成し、後半子供向けのプログラムを交えました。一つの公園で、子供が合唱したかと思うと、次の曲で年配の方の童謡が聞こえる・・という、地域のコミュニティが一体化した絵がそこにありました。

世話人の方は、「これまで心が折れそうになったこともありましたが、今日の音楽は自分に語られているようで、本当に癒されました」と語ってくださいました。

 

○拠点7:大槌町 高齢者介護施設

参加者:入居者約30名 スタッフの方々約6名

演奏曲目:

旅愁(鑑賞)

テネシーワルツ(鑑賞)

It don't mean a thing(鑑賞)

星に願いを(鑑賞)

月の砂漠(共に歌う)

青い山脈(共に歌う)

おぼろ月夜(共に歌う)

ふるさと(共に歌う)

見上げてごらん夜の星を(鑑賞)

演奏時間:50分

入居者の方よりも、スタッフの方が疲れていらっしゃる様子がすぐに分かりました。自らが被災し家を失い、施設で生活する方もいらっしゃるようです。ここでは、リクエストの楽曲をメインに構成しました。皆さん美しいふるさとの風景を思い出されて涙ぐんでいらっしゃいました。

昨日公園の方にもお越し下さった、現地のレスキュー隊の方が再びいらっしゃっておりました。朝は自転車修理、昼は資材の運搬と、本当に献身的に地域のために何でも出来ることをされていらっしゃいます。「自分も結構疲れ切っているが、30分聴けば、1ヶ月元気でいられる。1時間聴けば半年元気でいられる」と嬉しいお言葉を頂きました。童謡で、人目をはばからずに泣いたそうです。

震災の際、道路を右折した車は全て流され、左折したその方は助かったそうです。橋が崩れ落ち、流されていく車を見て、レスキュー隊でありながらなすすべもないその悔しさに、大声を上げて泣いた、と語っていらっしゃいました。物資は今や、酒とタバコ以外は、自衛隊の倉庫に行けばなんでもあるそうです。世帯がまとまって団体として申請を出せば、誰でももらえるそうです。ただ、商業施設がほとんどつぶれてしまったため買い物が出来る場所が遠くにしかなく、高齢者の方の買出しなどをお手伝いする、などの細かいニーズがまだまだあるようです。これは、さすがに地元の顔が分かる人でないと、出来ないことです。今一番必要な支援は、やはりこの日のコンサートのような、心の支えだ、と強くおっしゃっていました。

 

○拠点8:山田町 青少年の家

参加者:小学生1-3年、5年生 計100名 教職員約10名

演奏曲目:

A Whole New World (鑑賞)

さんぽ(トトロ)(共に歌う)

崖の上のポニョ(共に歌う)

Best Friend(鑑賞)

星に願いを(鑑賞)

Amazing Grace(鑑賞)

翼をください(共に歌う)

見上げてごらん夜の星を(鑑賞)

ふるさと(共に歌う)

演奏時間:60分

大槌町で一番被害の大きかった小学校が、隣町の山田町の青少年の家を利用して授業をしていました。

子供達は4箇所の避難所や仮設住宅等からスクールバスで通っています。

廃墟と化した町役場。ここに程近い場所にこの学校はありました。この学校が、今回訪れた全ての場所の中で最も深刻でした。

生徒、教職員の大半が被災しているだけでなく、教職員が自分の子供を失っているケースが多々あるようです。しかも近くの避難所が一杯で、遠くの避難所に回されてしまったという最もつらい境遇の方達が多くいます。教職員の方々の落ち込む様子が手に取るように分かりました。

1-3年が「さんぽ」や「崖の上のポニョ」を歌う一方で、5年生は「翼をください」や「Best Friend」など、その他の曲は教職員の方々にも積極的に歌で参加していただくようお願いしました。Amazing Grace演奏前には、このストーリーについて念入りに、リアリティをこめてJohn Newtonが死ぬはずだった自分の人生からどう生きる希望を見つけていったのか、というところを話しました。

CDプレゼントコーナーのじゃんけん大会では、「どうしても欲しい」という子供達があまりにも多く、最後はじゃんけんをして勝ち負けを出しているのに子供の数がいっこうに減らない・・・という、とても心苦しい状態でした。

1-3年生は、手放しに歌を楽しく歌って、その場を元気良く楽しんでいましたが、5年生は、感受性が豊かになってきているからでしょうが、かなり気持ちが乗るのに時間がかかりました。お会いした親御さん方は現実を抱え本当につらそうでした。幼い子供ほど、喜びを素直に受け取れるものなんだなあ、と痛感しました。

とにかく、子供が少しでも希望を持って、それがご両親や教職員の方々に広がっていって欲しい、と心から願うばかりでした。

 

総括

現地では、物資も義捐金ももちろん必要ですが、今一番必要なのは、「希望」なのだ、ということが、明確に感じられました。

Sound Therapyを通じた心のケアをするにあたって、必要となるポイントを以下にまとめてみました。

1)仕える姿勢

ここに物資を届けにくる外国の方たちが、必ず「贈呈のシーン」撮影をしていくことに対して、現地の方は非常に憤慨の意を表していました。おそらく本部への報告義務があるからそうしているのでしょうが、ここにボランティアの大事な落とし穴があります。

「してやっている」というボランティアの姿勢、「自己顕示のためのボランティア」は、現地の方はすぐに見抜きます。現地のニーズを把握せずに一方的に支援物資を押し付ける心のないボランティア、相手の都合も考えずコンサート開催を申し込む演奏家、ただでさえ他人の世話に忙しい最中に、机やコンロ、場所の提供など無理難題を要求する炊き出しチームなど、「二度と来るな」と言いたくなる現地の方の気持ちが良く分かりました。

2)完全自己完結

自衛隊のように資金、食料、宿、救護に至るまで「完全自己完結」でない限り、ボランティアは逆に迷惑をかけることが多々あります。Sound Therapyに関してもこれはまったく同様で、演奏家自身が、

現地のニーズ&年齢層&望まれる楽曲の把握(自分の曲の発表の場であってはいけない。まず「一緒に気持ちを共有する」という観点から、曲の良し悪しより「皆が知っているかどうか」を第一優先とすべき)、

音響機材の調達&セッティング、

会場設営&撤収、

譜面&歌詞カード(皆さんで歌う用)の準備、

MC(司会進行)、

お客様への挨拶、

主催者へのお礼

など、必要とされることを全て自己完結で行うことが必須条件です。電気が取れない場所もありましたので今回は充電式アンプを持っていきましたが、「電源も借りない」くらいの気持ちで望む必要があります。

また、会場の選定を行う際、目で見た被害の大きさや、聴衆の大小を基準にはできないということが分かりました。今回、何度も書いているように子供よりも教職員の方の心のケアのほうがずっと大きな問題でした。その方たちのために伺ったといっても過言ではないくらいです。たった一人の癒しのためにも心を尽くして演奏する、このことがとても重要だと感じました。

3)臨機応変

また、Sound Theapyは「鉄を打つ刀職人」に通じるものがあると感じました。

刀職人は、使う人のニーズに合わせて、使いやすいように鉄を打っていきますが、その日の温度、鉄の具合によって、打ち方のタイミングも変わってきます。そこに法則はなく、すべて「感性」に頼るしかありません。

現地に行って、先生から被災状況などを伺い、実際に皆さんの顔を見るまでは、本当にニーズがどこにあるのか分からないものです。また、一人一人、ニーズは違います。そんな中、臨機応変に演目や演出を変更することはとても重要です。あくまで「同じ立場に立ち、仕える姿勢」がなければなりません。

4)傾聴

また、刀職人は最後に出来た刀を使う人に渡す、というユーザーとのコミュニケーションの場があります。そこで気持ちが通います。Sound Therapyでは、これは演奏後の、責任者の方や聴衆の方とのコミュニケーションにあたります。

音楽は、心を閉じてしまった個人の、心のオープナーです。

音楽を通じて、個人が心を開く。その後が、一番重要なのです。

短い時間かも分かりませんが、あくまで「傾聴」の姿勢を持つ必要があります。「あれはどうですか?あそこの被害はどうですか?あなたはこれから生活どうされるのですか?」のような質問は絶対NG。どんなことを聞いても、どんな弱音を聞いても、それを否定したり、それに対して自分流のアドバイスをすることなどは絶対にやってはならないことです。この「傾聴」が、Sound Therapyで演奏以上に重要な部分です。これは、1 to 1、face to faceでなければできません。どんなにたくさんの聴衆がいたとしても、これは時間がとれる限り実行したいものです。

5)支援は遠くの誰かより、まず身近な一人に

もう一つ、大事なことがあります。支援は遠いかなたの大勢の誰かに行うよりも、まず自分、それから身近な一人に行うほうが、はるかに重要であるということです。

自衛隊が、なぜ復旧のプロとしてどんな場所でも活動が出来るのか。それは、先にも述べたように、食料、救護、チーム体制・・・自分たちで自分たちをケアできるシステム自体を持っているからです。チームの中で疲れたり怪我をしたり、落ち込んだりした隊員を日々チームがケアする体制があります。一番身近な人をケアするシステムを作り上げているから、災害のケアが出来るのです。

ボランティアや心のケアに携わる人間が陥りやすいのがこの問題です。災害状況下での非日常な支援体制はそれだけでストレスを引き起こします。このストレスに対する耐性には大きな個人差があります。困難に攻め込むのが好きでこのようなストレスが気にならない人もいますが、人の心のケアが出来る繊細な心の持ち主は、往々にしてそのような耐性を持ち合わせていません。

これがボランティアセンターの宿泊所です。心のケアをする人間が、皆この環境に適応できるとは到底思えません。事実、私には厳しく、結局外に宿を取りました。

まず自分の心が安静になれる環境を確保すること。被災地でSound Therapyをしようと思っている方は多少お金や時間がかかっても、ホテルを予約しておくことを強くお勧めします。皆と同じように行動できないことを恥じる必要はまったくありません。人はそのように違う能力を与えられているのです。

また、被災地から車で2時間も動けば、同じ岩手県でもまったく被害を受けていない地域もたくさんあります。報道だけを見ていると東北全域が壊滅的な被害を受けているような気分になりますが、そうではないのです。同じ岩手でも支援できる人はたくさんいます。

一人が、身近な一人を助けることで、その輪は必ず連鎖します。

東京に住んでいても、まず自分の家庭を大事にすること。「自粛、自粛」と言っていないで、仕事を活性化させること。部下を大事にすること。部下の家庭や親戚が困っていれば支払いの融通をすること。など、東京に居ながらにして出来ることはいくらでもあります。身近な一人へのアクションには、愛が伴いますが、遠くの誰かへの支援に愛を伴わせることは、とても難しいのです。